京都・保津川下りの知名度を大きく上げた理由は「バスツアー」にあった!?多くのツアー誘致ができた理由
少し前に初めて保津川下りを体験しました。
知名度は高いので私も知っていたのですが、期待以上の満足度でしたし、やはり多くの観光客が訪れていました。
そこで、私の見解から「保津川下り」がなぜここまで知名度が高く、今もなお団体・個人問わず人気なのかを述べてみようと思います。
京都を代表する観光地・嵐山。
ここには、多くの方がご存知の「渡月橋」を始め、若い人を中心に人気がある〝インスタ映え〟する竹林などがあり、誰でも楽しめる魅力があります。
嵐山には「保津川下り」の終着地点となっており、これもまた人気で知っている方も多い観光スポットです。
長さも歴史も日本一の「保津川下り」
かつてこの川下りは、人や物資を京の都に運搬するための重要な水路でした。
今もこの保津川下りの出発点である亀岡市は、美しい水と土に恵まれ、多くの京野菜や亀岡牛・丹波松茸などの豊富な食材を全国に提供しています。
交通網の整備に伴い運搬路としての役割を終えた川下りでしたが、保津川峡谷の素晴らしい自然美をより多くの方に楽しんでもらおうと、明治28年観光客を乗せて遊覧目的の川下りが始まったのです。
それから現在に至るまで、何一つ変わらず今も多くの観光客を楽しませている「保津川下り」。
亀岡から終点嵐山までその距離何と16㎞!
手漕ぎの川下りとしては日本一の距離を誇ります。 LINEトラベル.jpより引用
歴史があるから…という意見も、もちろんその通りです。
ただ歴史があるからといって自然と知名度が上がるほど簡単ではありません。
知名度向上の理由は、保津川下りのホームページに記されていました。
立志伝の人・川本氏は政界、財界、芸能界など幅広い人脈を活かして「観光保津川下り」を日本国内に発信しました。時代は高度経済成長の追い風もあり、観光業に大型団体バスツアー(マス・ツーリズム)形態が生まれ、京都観光における保津川下りの知名度を不動のものにしました。保津川下り公式サイト
マス・ツーリズム(大型団体旅行)つまりバスツアーでの需要が大きかったのですね。
保津川下りがバスツアーのコースに組み込まれた理由
バスツアーのコースに組み込まれやすい施設や観光地の大きな特徴は主に3つと考えています。
①効率的である
→旅行の行程に無駄がないことです。施設や観光地がそれ一つで集客力がかなりあれば別ですが、そうでない場合は目玉観光地の近くの施設に立ち寄ることが多いです。それは目玉観光地の特徴にもよりますが、観光地近くや観光地近くのIC付近にあるお土産施設などが使われることが多い傾向にあります。
②大人数に対応している
→40名以上の団体に対応しているところです。また旅行会社に対して料金の割引など特典を設けているところも多いですね。
③満足度が高い
→これは言うまでもなく、旅行会社もお客様の満足が全てです!
【保津川下りを実際に当てはめてみます。】
①効率的である
まずそこに泊まった団体客が泊まる前か後に観光として訪れるのは間違いないでしょう。
そしてICが近い。
亀岡ICから車で約10分のところに亀岡側の乗り場があるのです。
そして何より…
亀岡で乗った船の終着地点が大観光地・嵐山なので、終着地点に団体昼食施設もあります。
バスだけ嵐山に回送すれば、船がついた後に昼食や自由散策となり、バスの乗降の無駄がありません。
観光(川下り)→昼食→観光(嵐山)という理想のルートが出来上がるのです。
そのため、大阪や奈良方面からの日帰りバスツアーでは一番最初に保津川下りを行い、嵐山で昼食というのは定番となっています。
②大人数に対応している
観光バスが止めれる上、団体にも慣れているので旅行会社は利用しやすいです。
また、団体割引もあり、旅行会社専用料金も用意しているかもしれません。
そうした旅行会社が〝利用しやすい。利用したくなる〟システムも揃っています。
トイレが少ないのはちょっと課題ですが、そのあたりの案内も係員は慣れたものです。
③満足度が高い
これは私も保津川下りへお客様をご案内することがあり、その時に驚きました。
そのお客様は若い人が多く、景色を見るだけの川下りだと満足して頂けないかも…という気持ちがありました。さらに前日は雨で川も濁っている。
しかし、結果は大満足!!
保津川下りには想像以上のスリルがあり、また船頭さんのトークなど飽きさせないように作ってあります。
前日の雨による増水もそのスリルを大きく増やすことに一役買ってくれました。
スリル(刺激)を求めることが多い世代をも取り込んだということです。
かといって年配のお客様には喜ばれないわけでもありません。
適度なスリルと景色、老若男女が楽しめるトーク。
それが本当に絶妙です。
また保津川下りの魅力については記述出来たらさせて頂きたいと思います。
マスツーリズムは減少していると言われていますが、「人が集まる団体」は見渡せばたくさんあるのでこの先も可能性はあります。
認知度向上の一つとして、大口団体を狙うのも一つかもしれません。