観光の動機ー道具性理論
今回のテーマはこちら!
「観光の動機ー道具性理論」についてです。
皆さんは観光に行こうと決めて、観光地を選ぶ時、どんな理由で決めますか?
「美味しいご飯があるところ」「絶景なところ」という意見が多いと思います。
私自身もそうです。
しかし、その奥底に潜む人間の本当の目的。
それが動機となるわけですが、例えば「非日常を体験したい」「いつも緊張の多い仕事だからリラックスしたい」とかです。
そんな動機を実現出来るところを選ぶのではないでしょうか。
これを「道具性理論」といいます。
ヴァームという学者が提唱しました。
簡単に言うと、
「その旅行目的地では、してみたいことがどのくらい実現出来るか」
実現できそう→行く!
出来そうにない→行かない!
ということです。
動機の実現性ですね。
例えば、大自然でリラックスしたい…と思ったらどこを浮かべますか?
北海道はひとつ浮かびますね。
美食を堪能したい…と思ったらどうでしょうか。
北海道はひとつ浮かびますね。
つまり北海道は多くのイメージを持っています。
自然も温泉も、美食も牛乳も!
自然堪能=北海道となれば観光客はおのずと増えるのです。
もちろん、ここから「主観的確率」という場所・費用・条件などにより、実際に北海道を目的地とするかどうかは別問題です。
しかし、候補に入れなければ観光客は来てくれないのです。
イメージングがいかに大切かということもこの理論では物語っています。
例えば、旅行してSNSに載せたい!という動機があったとします。
そうしたら、必然的に「美しい写真が撮れるところ」という条件になります。
どこを浮かべますか?
近くのインスタ映えスポットから遠くの絶景までで「知っているインスタ映えスポット」を頭の中で浮かべたのではないでしょうか。
このときに、インスタ映えとは程遠いイメージの場所に行くことはないと考えます。
なので、「綺麗な写真が撮れる」というイメージングや広告が必要になってきます。
恋人との仲を深めたい!という初々しいカップルはどうでしょう。
距離が縮まる仕掛けを作って告知して、実現可能性(恋人との仲を深めたい)を高めていけば、
「まだ慣れていない恋人でも、あそこにいけば間違いない!」となれば、選んでいただけるでしょう。
「道具性理論」により、観光客の動機を深く知り、それを実現出来ますよ!と謳うことの重要性が分かりました。
次回は、「道具性理論」から見た、
観光地の成功事例と仕掛け方について考えてみようと思います。
※記述は全て私見です。データは観光心理学の書籍等を参考にしておりますが、正確なデータについてはご自身にてご確認ください。